連珠の 四追い問題 を単純化した 三追い問題 とも言える「ゴールは4」と名付けたパズルを「連珠世界」誌で提案しました (連珠世界 2023.8 pp.31-36, 2023.9 pp.37-40)。
四追い問題を元にパズルとして完成させ、パズル専門誌「ニコリ」に掲載されていたことのある「ゴールは5」というパズルがあります。 四追い問題や「ゴールは5」は五を作ることを目的としていますが、「ゴールは4」は 四を作る ことを目的としています。
四を作ることを目的としますが、普通に三を作れば容易に四を作ることができますので、連珠にあるような「禁手」を導入することで興味深いパズルとなるようにしています。
連珠と「ゴールは5」の両ルールを参考にして、「ゴールは4」のルールを以下のようにしています。
○ または × が連続して4コ並んだ状態 ( × は5コ以上も含む) を 四 と呼びます。 ○ が3コ連続して並び両側に四を作ることのできる状態を 達三 と呼び、ルールにより禁手です。 四を作る箇所がひとつである ○ の集まりを 三 と呼びます。 三は、間に1つの空点のある トビ三 と、連続した3コだけど四を作る箇所がひとつだけの 活三 とがあります。 次に四を作ることのできる×の集まりも三と呼びます。
このパズルは、○ が三を作る手の連続で最終的に四を作る手順を見つけるものです。 途中の手順は前後することもあります。 ○ の三を防いで×に三ができた場合 (ノリ手と呼びます)、○ は四を作るか、× が四を作れないようにします。 後者の場合、その手が三または四でなければ、パズルの解として失敗です。 どのようにしても ○ が四を作れない場合や、× が先に四を作ってしまう場合も、失敗です。
要するに、トビ三あるいは活三の連続で四を作ることが目的となります。 達三が禁手のため、連珠の三に相当する「二」の概念はなく、三と二が重なる「三二」は勝ち形でなく、勝ち形は三が2つ以上重なる「三々」だけです。 解答では、三々を作るところまでを示します。 三々は連珠での四々に相当しますので、『四々にノリ手なし』と同様に、三々ができれば × の反撃はありません。
問題の難易度(*)は、原則、
☆ :入門
★ :初級
★★ :中級
★★★:上級
としています。
(*)
読み切りではなく、盤に並べて解く場合の難易度で考えています。
( 例1〜例11:2023年8月号 )
例1: 勝ち形である三々の例で、活三とトビ三で三々を作ります。
例2: 勝ち形である三々の別の例で、一直線上に三々を作ります。 連珠で一直線上にできる四々があるように、「ゴールは4」でも一直線上にできる三々があります。 一直線上にできる三々はもう一つ別の形もあります。
例3, 4: 多くのゲームでそうであるように、正しい手順で進めることは重要です。 「ゴールは4」でもノリ手や禁手筋のために、手順を誤ると勝てなくなることになりがちです。 この2つの例は、トビ三が重なる三々を作るものですが、× のノリ手防ぎにあわないように手順を工夫します。
例5: 達三を禁手としていることが「ゴールは4」の大きな特徴です。 達三となる点に打てれば容易なのに、このルールのために一工夫が必要となる良問になったりします。 例5は、反対側にトビ三をすることで達三だった点を活三にする手筋の例です。 解が長めの問題ではこの手筋をよく使うことになるでしょう。
例6: 長連が禁手であることを利用して達三の点を活三にする手筋です。 連珠でも長連筋利用の三々禁逃れの手筋がありますが、それに対応します。
例7: 達三は禁手ですが、四と同時にできる場合はルールにより禁手になりません。 初手は四を狙っていますが、四を作ると同時に達三もできます。 しかし、これは禁手でありません。 また、この三を止めさせることによって、達三だった点を活三として打てるようにしています。
例8: 勝ち筋がありそうでもなかなか勝ちにならないことがありますが、その大きな理由は ×のノリ手です。 ノリ手防ぎを成功させないように、前もって何らかの対策をしておくのが事前工作の手筋です。 ここでの初手はその例です。
例9: 7×7の広くない盤ですが、その中を駆け巡るような解手順となる問題を作ることができます。 例9は「行って戻って」の手順となるの例です。
例10: 連珠でも手順の中にノリ手の応酬があるとダイナミックな感じを受けるものですが、その点は「ゴールは4」も同じです。 途中までノリ手の応酬が続きます。
例11: 問題図が意味のある図形や文字になっていると、解いてみようという意欲が出てくるものです。 ハート図形で作ってみました。 これまでに紹介した手筋を活用した好手順になっています。
( 問1〜問8:2023年8月号、問9〜問16:2023年9月号 )
気が向いたときに増やしていきます。 (最新追加:'24.3.11)