黒石と白石を盤上に置いていって、あるいは○と×を紙に交互に書いていって 縦・横・斜めに先に5つ連続して並べた方が勝ち、という 五目並べ を楽しんだことのある人は多いと思います。 単純なルールでは先手が1手先に打つことの有利さは大きいため、 先手と後手が公平に戦えるように 五目並べのルールを見直したのが 連珠 です。 五目並べの気楽な気持ちで、しかし正式のルールの下で、 連珠を楽しみましょう。
連珠では 黒石 と 白石 を使いますが、 これは囲碁で使う碁石と同じものです。 盤は、各マスの大きさは囲碁と同じですが、 右に示すように 囲碁より小さめで縦・横15本ずつの罫線が引いてある 連珠盤 (15路盤とも言います) を使います。 中央に 天元 と呼ばれる小さな点があり、 各隅の (4,4) に相当する位置には 星 と呼びれる小さな点があります。
公式戦等では持時間制をとっていることから残り時間を知るために 対局時計を使いますが、 主催者が用意してくれますので個人で持つ必要はありません。
15×15の連珠盤は連珠専用です。 持っておられない方は、 ちょっと厚めの紙に罫線を引いて自作されるか、 日本連珠サービスの 「はじめての連珠」 という小冊子を入手されて 付録の紙の連珠盤を使われるか、 連珠盤を扱っている店に注文して入手されるか、あるいは 碁盤をお持ちであればその4辺の2本ずつをマスキングして 15路盤にして使われる、等をされて、 やはり連珠専用サイズの盤で練習されるのがよいでしょう。
日本連珠社による 「連珠/ルールブック (平成21年3月版)」より 連珠基本ルール を引用します。
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連珠を始めたばかりの方は、 “先に5個並べた方が勝ち” という連珠の目的と、 先手 (黒) への 禁手 の導入や6個以上並ぶ長連の扱いの違いのように、 先手 (黒) と後手 (白) にはルールの上で違いがある ことを頭に入れて下さい。 これは先手の黒が後手の白より1手先に打つことによる有利さを解消するために 設けられています。
ゲームとしての連珠のルールは基本的には上のようになり、 黒と白のバランスを保つ方向に進んでいます。 この連珠のルールは明治から昭和の前中期にかけて活発に議論され、 20世紀後半からは世界の連珠愛好家も議論に加わって 現在の形にまとまってきたものです。 しかし、黒が1手先に打つことの有利さは、 このルールだけで十分に解消されているとは実は言えません。 実際の公式戦等ではいくらか複雑な開局規定に従って最初の数手が打たれます。 開局規定については現在もなお種々の方法が検討されています。
連珠をゲームとして楽しむために最低限必要な用語についてです。
五 | 縦・横・斜めに同色の石が丁度5個並んだもの。五連とも言います。 黒・白とも勝ちです。 |
禁手 | 反則手。打つと (相手の四や三等を止めるために打っても) 負けになります。 |
長連 | 縦・横・斜めに同色の石が6個以上並んだもの。
黒は禁手ですが、
白は勝ちです。 (白は勝ちですので、 以降で「五」と言う場合、白の長連も含まれています。) |
四 | 1個の石の追加で五となるもの。 |
達四 | 四で、五にする場所が2つあるもの。 |
三 | 1個の石の追加で達四となるもの。 |
三々 | 着手点を共通点として同時にできる2つの三。三三とも書きます。 黒は禁手です。 |
四々 | 同時にできる2つの四。四四とも書きます。 黒は禁手です。 |
四三 | 同時にできる四と三。 |
先手 | 黒のこと。時に、新たな戦いの場に先に打つ側のこと。 |
後手 | 白のこと。時に、新たな戦いの場に後に打つ側のこと。 |
着手 | 手番の時に石を打つこと。着手は義務でなく権利です。 |
投了 | 負けを認めること。 |
満局 | 引分けのこと。 |
なお、 三々に三や四が加わる三三々や四三々等、 四々に三や四が加わる四々三や四四々等は、三々や四々の特殊形と考え、 黒は禁手です。 禁手の形であっても五と同時にできるものは、五が優先され、 黒でも勝ちです。
次に示す用語は連珠ゲームに強くなるために最低限必要な用語です。
定石 | 両者最善を尽くした時の手順。 時に、黒勝ちとなる定着した打ち方を指すこともあります。 |
ミセ手 | 次に四三 (白の場合は四々も含む) を作るぞ と打つ手。 |
四追い | 四の連続で打つこと。 |
フクミ手 | 次に四追いで勝つぞ と打つ手 |
追い手 | 三を作る (ヒク) 手 ・ 四を作る (ノビル) 手 ・ ミセ手 ・ フクミ手の総称。 |
追詰め | 追い手の連続で勝ちを導くこと。 追勝ち (おいがち) とも言います。 |
ノリ手 | 追い手となる防ぎ手、または相手の四追い中に四ができる防ぎ手。 |
呼手 | 追い手でない攻めの手。 |
ミセ手は、 四追い回数が1で次の手が四三 (白では四々も含む) となるフクミ手です。 最後の黒の防ぎ手が禁手になる白のフクミ手を、 特に ネライ手 と呼ぶことがあります。 連珠では黒に禁手を打たざるを得ない状況にする (ハメル と言います) のも白の立派な作戦です。