四ノビの「有効・無効」について (1)

追詰め問題を解く時は最終の詰み状態への手順の発見に努力するのですが、 解答案を作る時に時折悩みの種となるのが防ぎ側の四ノビの有効・無効の判断です。 似たものに防ぎ側の無駄手もあります。 これらの区別・判断は、慣れないと間違いやすいものです。 無駄手については、 こちら補足 に書いていますが、ここでも改めて検討します。

[1]ではこれらの用語を次のように定義しています。

「無効な四伸びをすれば負けを早めるだけであって 『防御側は、最長手数になるように防ぐ』に抵触する」との表現もあり、 無効な四ノビは手数に加えられないことを表わしています。
[1] 太田剛:詰連珠解答の書き方について (1)〜(3)、連珠世界2010.11〜2011.1。

簡潔な表現になっていますが、 有効・無効・無駄についてある程度の理解は得られるものの、 具体的な例にあてはめて判断しようとすると、困惑することが起こりそうです。

いくつかの例を見ながら、 おぼろげに持っている有効・無効・無駄の知識も使いながら、 それらを判別を検討していこうと思います。

無効と考えるべきいくつかの例

b 05 04 13 11 ・・・・例1・・・・・・・・・ ・・・・・・●・・・・・・・・ ・・・・・・・○・・・・・・・ ・・・・・・●●○・・・・・・ ・・・・・・○●○○・・・・・ ・・・・・・○●・・b・・・・ ・・・・・・・A●01B・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

例1(防ぎ側の)無駄手 で示した例ですが、 黒1のトビ三後の白bの四ノビは新たな三を作るだけですので、無駄手と考えるべきです。 しかし、四ノビをせずにトビ三を止めればAの四三、 四ノビをしてからトビ三を止めた場合は禁点のAには打てずBの達四での勝ちになり、 以降の勝ち方は変化します。

このように考えると、上記の定義ではC.に該当せず、A.またはB.の場合になり、 無駄手とはみなされなくなります。 また、この例でもわかるように、A.とB.は相反する場合ではなく、 両方の条件を満たすこともあり、 無効と有効を的確に判別できないことがあり得ると考えられます。

b 03 04 09 12 ・・例2a・・・・・・・・・・ ・・・・・・・A・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・●・●○●・・・・・・・ ・・・・01○○●・・・・・・・ ・・・・・●B●・・・・・・・ ・・・・・・イ○・・・・・・・ ・・・・・・○・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
B 03 03 11 11 ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・例2b・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・●・・・・・・・・ ・・・・○●・●○・・・・・・ ・・・・a・・・b・・・・・・ ・・・Aイ●01●ロB・・・・・ ・・・・○・・・○・・・・・・ ・・・・○・・・○・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

例2aは、黒1の三を白イの四で止めています。 しかし、白イと四で止めても新たにBの三ができ、 この三とAの四三の両方を止めることはできません。 「黒1後Aの四三勝ち、白イの四ノビは無効」 と考えるべき例でしょう。 A.に該当し、B.やC.に該当しません。

例2bは例2aを極端にしたと言えるものです。 黒1の三を止める手はイかロですが、いずれも白の四で、 その四を止める黒の手はいずれも新たな三になっています。 白は2回の四によって最初の三だけでなくAとBの四三も防いでいますが、 新たにできた2つの三を止めることはできません。 これはA.かB.に該当します。

b 04 04 11 12 ・・・例3a・・・・・・・・・ ・・・・・・bA・・・・・・・ ・・・・・・イB・・・・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・01・○●○●・・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・・●○・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 03 04 11 12 ・・例3b・・・・・・・・・・ ・・・・・・・A・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ロ・●ハ●ニ・・・・・・ ・・・・01・○●・・・・・・・ ・・・・○●ホ●ヘ・・・・・・ ・・・・・・●○・・・・・・・ ・・・・a○○イ○●・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

例3aは 「黒1後Aの四三勝ち、白イの四ノビは無効」 とすべき例でしょう。 白イの四ノビによってbに黒石が追加され、新たにBに四三の点ができています。 A.にもB.に該当するように思えます。

四ノビによって新たな三や四三の点ができる場合だけでなく、 四追いが残る場合も同様に無効となると考えられます。

例3bは 「黒1後Aの四三勝ち、 白イの四ノビはaに黒石が追加されて黒に(ロハニホヘ)の四追いが生じるため無効」 と考えられる例です。

有効・無効・無駄の境界

b 03 04 10 12 ・・例4a・・・・・・・・・・ ・・・・05・03A・・・・・・・ ・・・・●・02・・・・・・・・ ・・・04・●○●・・・・・・・ ・・・・01・○●○・・・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・・●○・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 03 04 10 12 ・・例4b・・・・・・・・・・ ・・・●ロ・03イ・・・・・・・ ・・・・●・02・・・・・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・01・○●○・・・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・・●○・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 03 04 11 12 ・・例4c・・・・・・・・・・ ・・・・A・03B・・・・・・・ ・・・・●・02・・・・・・・・ ・・・・イ●○●・・・・・・・ ・・・・01ロ○●○・・・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・・●○・・・・・・・ ・・・・・・・・○・・・・・・ ・・・・・・・・・●・・・・・

例4aでは黒1後Aの四三勝ちを狙っていますが、 白2の四ノビ後に4と止めておいて、この時点で黒の追い手 (三、四三の点、四追い)はなく、 白の四ノビは有効と考えるべきでしょう。

例4bは、例4aの図に黒石を左上を追加したものです。 白2・黒3とすると(イロ)の四追いが新たにでき、 元の三との両方を防ぐことはできません。 この場合は無効と考えられます。

例4cは、白が斜めの四を作ることのできる図です。 例4aと同様に、白2の四ノビは有効に働きますが、 黒A後のBの四三勝ちが残っています。 これを防ぐための白イの四ノビは、 この時点では1の三を止めないまま黒にロの三が新たにできるため無駄、 黒Aの三をヒイた後ではその三を止めているけれど 新たにロの三を作らせる手なので無効、と考えるのが妥当と思えます。

b 04 04 12 12 ・・・例5・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・01・・・・・・ ・・・・・・○・○●・・・・・ ・・・・・○・●・・●・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・○・○・・・・・・・ ・・・・・・・・●・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 04 04 12 12 ・・・例5a・・・・・・・・・ ・・・・・・・02・・・・・・・ ・・・・・・・・01・・・・・・ ・・・・イa○ロ○●・・・・・ ・・・・・○03●A・●・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・○・○・・・・・・・ ・・・・・・・・●・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 04 04 12 12 ・・・例5b・・・・・・・・・ ・・・・・・・06・・・・・・・ ・・・03・・・・01・・・・・・ ・・・・0205○04○●・・・・・ ・・・・・○07●A・●・・・・ ・・・・・●○●・・・・・・・ ・・・・・○・○・・・・・・・ ・・・・・・・・●・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

例5の図で、黒が1と三をヒイたとします。

単に白2と止めたのが例5aです。 黒は3後Aの四三勝ちを狙いますが、白はイ・ロの四ノビで三を止めることができます。 しかし、a点に黒石が追加されて新たな三ができ、Aの四三の両方を防ぐことができません。 結果「黒3後Aの四三勝ち、イ・ロの四ノビは無効」 ということになるでしょう。

例5bは、黒1と三をヒイた時点で白2・4と四ノビしています。 白6と止めた時点で黒に追い手はありませんが、黒7後Aの四三勝ちとなります。 白2・4の四ノビは、より短い手数の例5aの黒勝ちを排除しており、 手数を長くする防ぎ手という意味で最強の防ぎ、従って有効な四ノビと考えられます。

なお、ロ(例5bでは4)を打たずにイ(例5bでは2)だけの四ノビは、 防ぎに何の効果も生じさせていませんので、無駄手と言えます。