「手順前後」について (1)

手順前後(てじゅんぜんご) という用語は、盤ゲーム等でよく使われますが、 ゲームによって意味合いが多少異なるようです。 将棋や囲碁では、手順を逆にすることによって 何らかの悪影響が出ることを指すことが多いようです。

連珠でもそのような意味で使われることはありますが、 手順を変えても同じ状況になる場合にも使われます。 ここは追詰め問題に関するページなので、攻め側の手順を問題にし、 手順を変えても勝ち筋に影響なく追詰めが成立する場合に、 その手順前後をどう考えるべきかを話題にします。

パズルでは答が1つであることを強く要求することが多く、 手順を問うパズルで手順前後をしても解にたどり着ける問題は、 ある時点での答が複数あることになり、 欠陥であるとみなされることになるかもしれません。 詰連珠もパズルの一種と考えられますが、 詰連珠の世界では手順前後をどのように考えるべきでしょうか。

詰連珠問題という「作品」の価値あるいは品質の観点からは、 手順前後があっても解となる問題は、 そうでない問題よりは価値が低いあるいは質が落ちるとみなされたり、 極端には詰連珠作品とはみなされないとなるかもしれません。 しかしあまりに厳密に手順前後を認めないとすると、 かえって詰連珠としての面白味が減少することもあり、 許される手順前後という考えもありえます。

この「手順前後について (1)」では、 手順前後をしても同じ勝ち筋の勝ちに至るけれど、 作品としての価値を減じないと思われる、つまり 許容範囲内にあると思われる手順前後について検討していくことにします。

1. 完全に許容範囲内とみなされる場合

四追い勝ち問題や追詰め問題での最後の四追い部分での手順前後が、 ここでの例でしょう。 むしろ、手順前後のない四追いは、 ノリ手の応酬のある凝った問題でない限り、読みやすい手順になります。 最後でなく途中での四の連続の中での手順前後も、 完全にとは言えない場合もあるかもしれませんが、 ここに含めてよいでしょう。

b 05 04 12 12 ・・・・例1a・・ホ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・ハ・●●ロ・イ・・・ ・・・・・・ニ○○ヘ・・・・・ ・・・・・●・●○●●・・・・ ・・・・○・○○●・・・・・・ ・・・・・・・●・○・・・・・ ・・・・・・○・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 05 04 12 12 ・・・・例1b・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・○・・・・・・・・・ ・・・・・・●○・○・・・・・ ・・・・・○●●●・イ・・・・ ・・・・・・○●●●ロ・・・・ ・・・・・・○・○・・・・・・ ・・・・・・・・・・ハ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 05 04 12 12 ・・・・例1c・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・○・・・・・・・・・ ・・・・・・●○・○・・・・・ ・・・・・○●●●・イ・・・・ ・・・・・・○●●●ロ・・・・ ・・・・・●○○○・ニ・・・・ ・・・・・・・・・・ハ・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

例1aは手順前後を許さない(というより一本道の)四追いとなっています。 (イロハニホヘ)の6回のやや長めなのですが、 一本道なので読みやすい手順でしょう。

例1bは、(イロハ)の四追いですが、どのような順に打っても勝ちになります。 例1cは、最後はノリ押さえになっていますが例1bと同じ勝ち筋です。 イ・ロの順に制限はありませんが、ハはイ・ロより後でないといけません。 四追いの中ですので、問題のない手順前後ですが、 例1bよりは例1cのようになっていた方が、 問題としての面白味は増しているように感じます。

2. 詰連珠の約束事から許容範囲内とみなされる場合

途中の三と四の順が交換可能だけど、 四を後にすると四追いで終局になる場合がこの範疇に入ります。 つまり、手順前後しても勝ちに至るけれど、 詰連珠のルールにより1つの手順だけが解となり他は排除されるので、 問題はないという場合です。

b 04 04 11 10 ・・・例2a・・・・・・・・・ ・・・・・・・イ・・・・・・・ ・・・・・・A●○・・・・・・ ・・・・・・○●○・・・・・・ ・・・・ロ・●●●○・・・・・ ・・・・・・・○・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
b 05 05 12 12 ・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・例2b・・・・・・・・ ・・・・・●・・・・・・・・・ ・・・・・●○・○・・・・・・ ・・・・・A○●●D●・・・・ ・・・・・・・○●○○・・・・ ・・・・・・・C●○・・・・・ ・・・・・・・・B・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

例2aでは、A後(イロ)の四追いでの四三勝ちとするのが普通ですが、 イ・Aと四・三を作ってからロの四三勝ちや、 ロ・Aと四・三を作ってからイの四三勝ちもあります。 (“A後(イロ)”のイロの順は逆でも可能ですが、 これは1.で述べた理由で問題ありません。)

詰連珠の約束事として、

というのがあります。

b.のルールに従うと、“A後(イロ)”の(イロ)は1手と数えられますが、 “イ・A後ロ”や“ロ・A後イ”のイ・ロはそれぞれが1手となり、手数は多くなります。 c.のルールにより、“A後(イロ)”が選ばれることになり、 他の手順は、遅延手を含むため、 解とみなされません。

例2bは、2.の範疇に入らない例です。 A・B・Cと三や四を作ってDで四三勝ちですが、 A・B・Cの順とB・A・Cの順の2通りが可能です。 Cは三ですので、どちらも3手と数えられます。 同じ手数で他の勝ち筋はなく、 ルールから一方だけを選び出すことはできませんので、いずれも解となってしまいます。

従って、この場合は1.や2.の範疇には入らず、 3.以降のどれかに入ることになります。 (どれに入るかは、この手順部分が解手順の一部なのか全部なのか、 他の部分に好手・好防の手があるか否か、等によって変わってくるでしょう。)

3. 望ましくはないが許容範囲内とみなされる場合

これ以降は、 「手順前後について (2)」で検討することにします。